執筆:2009年4月6日
タルトゥースとホムスの県境にあるハマ県バルシーン。バルシーンはハマ県のrりんごの産地。全国的なシェアは大きくありませんが、農地面積の85%がりんごというリンゴ好きにはたまらない村です。バルシーンでりんご農家を対象にしたファーマーズスクールが開催されるとのことでこれから一緒に活動するであろう普及局の相棒、サーレヘ・オスマーンと一緒に行ってきました。
バルシーンの人いわく、バルシーンはシリアで1番はじめにりんご栽培がはじまった地域とのこと。この手の話は他の地域でもよく聞きますが、バルシーンにはpome fruit research station(直訳すると仁果類試験場)、つまり仁果類(りんご、ナシ、カリンなど)を専門に研究する試験場があり、確かに歴史は古いのかもしれません。
ハマも地域によりますが農業が盛んな地域です。しかし今見えている綺麗な菜の花の風景も試験場の人の話によると夏には砂漠にかわってしますとのこと。本当かなぁ…と思ってしまいますが。
今回お邪魔したのはバルシーンの普及所。現場では私のことをりんごの専門家だと紹介してくれました。ちょっと待ってよ…と思いつつも、おかげで農家とのコミュニケーションがとりやすく、いろいろ話を聞くことができました。
その中でも一番多かったのが剪定に関してでした。シリアのりんご農家も剪定に興味があるんだなと思って嬉しかった反面、説明は苦労しました。というのは 剪定は枝を切ることだけではなく、りんごの樹をどうやって作っていくか、どんな技術を使っていくかなど体系的に考えなければならず、単独で話すのはとても難しいです。それは私の経験不足によるところが大きいのですが。
とりあえずはしっかり日光を中に入れなくてはいけない。花芽を着けるためには強い剪定はよくない、など一般的に言えることを中心に説明しました。
さて、ここからが今回の訪問のメインです。今回のバルシーンへの訪問はですが見学だけが目的ではありません。私はバルシーンでも絵入りりんごを作ってみたいと思っていました。そのことはサーレヘとも話していて、今回はバルシーンの農家の状況を見て、良さそうなら絵入りりんごを一緒に作ろう、とお願いしようと思っていました。つまり自分の試験の売り込みです。
いつ話を切りだそうかとタイミングをうかがっているうちに現場での講義が終わり、中での講義へ。すると普及員が、どんなテーマでもいいから、なんか話してくれという最高のパスをくれました。普段ならなんでもと丸投げは困るのですが、今回ばかりは願ったりかなったりです。
用意したポスターを見せつつ説明し、もしよろしければ、バルシーンでも試験してみたいんですが…と切り出すと、普及所長から即決でOKがでました。これでバルシーンでも試験ができそうです!!
説明が終わると、そのポスターをくれとみんなから言われ、興味を持ってもらったのは嬉しかったのですが、みんな分はなく、あげられないといったら、普及員がすねてしまった、というハプニングもありましたが、99%は充実したバルシーンでの仕事でした。