【感想】レバノンからのSOS 〜コロナ禍追いつめられるシリア難民〜を見て

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BS1スペシャル「レバノンからのSOS 〜コロナ禍追いつめられるシリア難民〜」が放送されました。約90分の番組でしたが、もう一つ一つから目が離せず、見たこと聞いたことがない話ばかりでかなりショックでした…

以下見ながら取ったメモです。個人的記録ですが、せっかくなのでこちらで共有したいと思います。見ながら書き留めたメモなので間違いがあるかもしれませんし、勢いで書いてしまったので読みにくいところもあるかもしれませんがご了承ください。

1.レバノンのシリア難民

レバノンには120万~150万人のシリア難民がおり。これはレバノンの4人に1人がシリア難民。ベカー県に多くのシリア難民が住んでいる。

レバノンは難民条約に批准していないので政府が難民を保護していない。レバノンにあるのは非公式キャンプで約3,700ヵ所に点在している。

2.イブラヒム(仮名)。生活のために臓器を売った青年

母は空爆で亡くし、父と二人でレバノンに来た。暮らしのために10万円で腎臓を売る。しかしその後体調を壊し、常に死を意識するようになり心が壊れてしまった。

3.レバノンにおけるシリア人の就労、それにより起こった変化

レバノン政府は建設、農業、清掃のみで就業を認めた。しかし賃金が安いため、ほかの業種でも雇われはじめ、結果レバノン人の職を奪ってしまった。それによりレバノン人との軋轢も発生。よって政府は雇用規制強化、さらには住居の強制撤去もはじめた。

4.シェイマ(仮名)。臓器売買により兄を失う

5年前に家族とともにシリアから避難。7人兄弟の唯一の男の子であった兄が4ヶ月前に連れ去られ、内臓を取られた状態でゴミ捨て場で見つかる。シリア人ならいいか、というレバノン人の言葉に怒りを覚える。

仕事は母親と近くのレバノン人宅で家政婦の仕事をして収入は二人で働いて1日700円程度。農繁期は妹と農家の仕事にも出るが二人で400円程度。学校にも通えず。

5.シリア難民の児童誘拐

多発しており主な目的は臓器の売買とのこと。女性の格好をした男性が子どもに睡眠薬入りのジュースを飲ませて連れ去るとのこと。

6.レバノンの経済状況

借金はGDPの170%、3月7日にはデフォルト発表。国民の不満は爆発。デモは拡大、失業率は37%で経済は壊滅的。

7.レバノンのシリア難民へのUNHCRの支援

1日310円以下で生活する極貧難民が55%。月2万円の支援をしているが届いているのは2割程度とのこと。

8.臓器を売るシリア難民

父は空爆で失い、母は病気で治療が必要、兄弟が4人。精肉店で働いていたが解雇され、支援も止まり借金もある。現状を打破するために30万円で臓器を売った。

9.臓器売買の実態

腎臓が欲しいレバノン人。15年以上透析を受けており腎臓が欲しい。他人からの臓器移植は禁止されているが、兄弟の身分証明書を使って手術をするとのこと。臓器を買うことに罪の意識はない。なぜなら自分が強いているわけではなく、彼らが買ってくれというから。

腎臓を売りたいシリア人。13歳の少女。両親は死に、叔父のところに居候しているが居づらくトルコにいる兄のところに行きたい。でもお金がない。だから臓器を売ってお金が欲しい。

他にも病院を回って臓器の買い手を探しているシリア難民はたくさんいるとのこと。

10.臓器売買仲介人

仲介すると7万円もらえる。手術はアパートで実施する闇。親が子供の臓器を売ることもある。自分自身もシリア難民。お金がなくてやっているが本当はやりたくない。

11.レバノンにおける新型コロナウィルスの拡大

3月15日、99人の感染が確認され非常事態宣言が発令。2週間の外出禁止。3月31日には450人に感染が拡大、非常事態宣言延長。

12.シリア難民はゴキブリ

新型コロナの拡大によりシリア難民への差別・排斥の空気が広がり難民キャンプが襲撃され、キャンプが閉鎖される。

子どもの間でも差別が広がり、シリア難民は病気の元、ばい菌やゴキブリ扱いされる。

不衛生で密な環境にいる難民は感染のリスクが高い。しかし感染しても言い出せない。なぜならさらに厳しい差別にさらされるから。これがさらに状況の悪化を生むことになる。

13.ジャミーラ(仮名)売春で生活費を

5年前に子どもを連れて逃げてきたジャミーラ(仮名)。旦那は兵役で取られその後消息不明。掃除の仕事をしていたら売春を持ちかけられた。妊娠して流産した。子どもが飢える姿を見る方がつらいと決死の決断。

しかしその売春の道さえコロナで閉ざされる。無理に見つけた客に暴力を受け、精神的ダメージを受ける。

14.兄に売られコンテナで売春をする少女

いい結婚相手が見つかったと兄に騙され連れてこられる。22歳。2年前にレバノンに来た。暴力も受ける。なぜ逃げないのか?という取材者の問いに、知り合いもお金もないのに逃げることなんてできない。死人のように生きていくしかない、と。

15.彼女らを助けるのは難しい。by NGO

NGOの話によると彼女らを助けるのは難しいとのこと。なぜなら売春は恥で汚れだから。もう家族には受け入れられないし、支援も受けられなくなるので家族にマイナスだから…と。

16.マラク(仮名)地域女性の姉御的存在

5年前にシリアから避難し、仕立ての仕事で生計を立てている。地域の女性が相談に来るよりどころ。

しかしある時公安につかまった。滞在許可証がないことで拘束された。釈放はされたが、滞在許可証を取得するか、レバノン人の保証人を見つけるか、シリアに戻るかしなければいけないとのこと。

18.滞在許可証

レバノン政府はシリア難民に滞在許可証の取得を求めているが、費用を払えず8割が持たないまま難民生活を送っている。取得には1000ドル以上が必要。

17.ハナーン(仮名)17歳。売春により家族を支える

母と兄弟4人暮らし。母は病気で寝たきり。父はレバノンに来てから失踪。兄はレバノンに来てから酒を飲み始め酒乱。ハナーンにお金をせびり、ハナーンは売春でお金を稼ぐ。

兄との対話の機会を持ったが、兄は公安につかまった恐怖で仕事もできなくなり酒におぼれ、家族に暴力を振るうようになった。これ以上暴力を振るわないとなったがどうなることか。

18.男性の精神不安定がストレスの連鎖を生む

精神科医によると、男性のストレスが家庭環境に悪影響を及ぼすとのこと。受診するのは女性や子どもばかり。精神科医の受信は恥だという文化もあり男性は受診しない。しかし一番ストレスを受けるのは男性。ここを解決しないと矛先が家庭にむいてストレスの連鎖が生まれる。

19.焼身自殺の男性

男性の焼身自殺が発生。もう耐えられない、生きるのが怖いからだと。息子はこの現状を世界に知らせるために父は焼身自殺したんだと。でも自分は世界の教官なんていらない。大切な人が死んで何の意味があるのかと…

20.クラスター発生

5月下旬に13人のクラスターが発生。UNHCRが検査をした結果、6月28日に128人の感染が確認される。コロナにより極貧層が55%から75%に増えた。もう極限状態。課題は生きるか死ぬか。でも支援が追いつかない。

21.かすかな希望

コロナによりマスクの需要が増え、マスクの仕事がシリア難民にも来た。女性は自分自身で生きるすべを身につけなければいけない。そして世界はそんな女性のことを忘れないでほしい…との最後のマラクからのメッセージ。

22.感想

レバノンのシリア難民、特に女性が置かれる過酷な状況が生々しくリアルにわかる番組でした。見てるとじゃあどうすればいいんだと言いたくなるような場面も多々。怒りや憎しみ、悲しみ絶望。様々な感情が渦巻き、こんな状況で希望を見出せなんて私には言えないし希望を見出すことなんてできない。希望すら見えないこの状況で生き続けることは本当に死ぬよりつらいんじゃないかと思うほどで、こみ上げて涙するシリア人の姿は本当につらいものでした。

そしてところどころで出てくる国連職員。綺麗な服を着て、しょうがないんだ的な発言にあなたたち何とかしてよ!と思わずにはいられませんでした。あなたたちの給料の一部でもどれだけシリア人が救われるのか。少し時間を割くだけでどれだけのシリア人が救われるのか。いろいろご苦労もあるとは思いますし勝手な想像ですが。

じゃあかく言う自分は何をしているのかというと何もしていません。このブログを書きながら何かしている気になってしまいたが、なんかもうそんなんじゃダメなんじゃないかと。

お世話になった大好きな国の人たちが困っている状況、まだ何も具体的に考えていませんが動きたいと思います。

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