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澄み切った青空。 夏のシリアは連日こんな日が続きます。
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さて、今日の活動先はレバノンとの国境にあるスルガヤ村にあるスルガヤ農業試験場です。私の正式な赴任先はダマスカスから車で西に約30分のところにあるナシャビエ灌漑試験場ですが、現在週1回、スルガヤ農業試験場で活動させてもらっています。
赴任当初「お前は何ができるんだ」と言われ、唯一自信のある日本のりんご栽培技術を紹介したところ、りんごの袋かけに興味をもってくれ、シリアでりんご袋かけの試験をすることになりました。
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しかし私の正式な赴任先であるナシャビエ灌漑試験場では、りんごは栽培されているものの、ナシャビエでりんごを栽培している農家はほとんど無く、またナシャビエの気候もりんご栽培に適した気候ではありません。そこで、シリアのりんごの産地であるスルガヤでも試験をしてみたらどうかということになり、スルガヤでの活動が始まりました。
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今日は一人の職員が「俺は日本のことなら何でも知ってるぜ」と一人で1時間くらいずっとしゃべっていました。空手、仏教、広島と長崎に落とされた原爆、特攻隊のことなど。話の合間に「そうだろ?そうだろ?」といちいち確認をしてきます。ところどころおかしな点はあったのですが、大体合ってたので「そうだ」と言うと満足げな顔をします。
しかし次の話には驚きました。「空港と犬がどうのこうの・・・」という話になりました。よく話を聞くと、どうも忠犬ハチ公の話をしてるようでした。「犬はパイロットである飼い主を空港で毎日お出迎えしていたが、飼い主が死に、それでも空港で待っていて、その銅像が駅の前にあり、そこで多くの人が待ち合わせをしていて・・・」空港がどうのこうの、という話をされたときは全くわかりませんでしたが、その後の話でハチ公の話をしてるんだな、とわかりました。若干違うところがありましたが、こんなことまで日本のことを知ってるんだ、と驚きました。