シリア中部紀行~ハマを中心に~地域に愛され時代と共に朽ちてく遺跡

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執筆:2009年3月6日


急に決まった連休ではありますが、隊員仲間とシリア中部を回ってみようということになりました。今日は水の町、ハマを中心に回ってみました。

ハマはシリア中部、オロンテス川沿いに位置するシリア第5の都市。ハマで活動する隊員もいるので何度か訪れたことがあります。 ハマは水車で有名な町として知られておりその歴史は古く、紀元前1100年前まで遡ります。町そのものの歴史もまたダマスカス、アレッポと同様に古く、「ハマ」という名前は、アラム語で「ハマト」というかつてこの地にあった都市の名前に由来し、聖書にもその名は記述されているそうです。

今回はタクシーを借り切り、ハマの東部を1日かけてまわってきました。

ハマはその面積の3分の1が農地というほどシリア有数の穀倉地帯。一面で小麦が栽培され、これがシリアかと思うような緑にあふれた景色が広がっています。

そんな中盛り上がった丘にポツンとそびえるシュメミース城。

小さくて修復もあまりされておらず、近づいてもお城なんだかよくわかりません。

シリアにはたくさん立派なお城がありますが、ほぼ放置状態の遺跡も沢山あります。 朽ちていく姿も時間の流れを感じさせ私は結構好きです。

お城にいたシリア人ファミリーと。なんの遺跡なのかはわかりませんでしたが、こうしてシリアの人たちも気軽に遊びに来るような親しまれている遺跡も素敵だと思います。

シュメミース城を後にし、続いては北へ。今回は地図の遺跡マークを頼りにドライブし、何か面白そうなものがあれば立ち寄ろうという程度で、特にどこに行こう、という目的は立てていませんでした。町から離れてずいぶんたったころ、変わった形の家が見えてきました。

こちらはクッベと言われる伝統的な家。初めて見ました。

日干し煉瓦をらせん状に積み上げてつくるそうです。 ご厚意で中を見せてもらいましたが、運転手曰く、結構来る人も多いそうで少しでも払ってあげなきゃだめだよ、とのことで心ばかりですが少しだけお渡ししました。

さらに進むこと30分。 こちらはカスル・イブン・ワルダン。 これは地球の歩き方にも載っている遺跡です。

詳しくはわかりませんが、領主の宮殿跡で時代はビザンチン時代まで遡るそうです。

こちらは隣にある教会跡。

詳しくいろいろわかればもっと面白いのでしょうが、残念ながら古いだろうということしかわかりません。

カスル・イブン・ワルダンを見終えさらに北へ。 遠くに何か人工建造物的なものが見えました。タクシーの運転手は何もないよ、と行きたがりませんでしたが、少しだけ時間をもらい行ってみることにしました。

近づくとこれまた立派な遺跡で発掘も行われていました。

しかもかなり広大で、進めば進むほど先に町の跡のようなものがあります 。

運転手もすごい!と大興奮でした。

日も暮れかけてきたのでハマの町に戻ることにしました。その道すがらも遺跡らしきものはたくさんあり、それっぽいものが見えるたびタクシーの運転手が「あれ遺跡じゃないか?写真撮るか?」と聞いてきます。声をかけてくれるのは嬉しいのですが、遺跡だかなんだかわからないし、遺跡だとしても似たような感じなのでもう写真はいいやと思っていたのですが、あまりにも声をかけてくれるので断るのも申し訳なく、降りて何箇所か写真を撮らせてもらいました。

今回お世話になった運転手と途中で出会った人。今回は小旅行でしたが、シリアの底力を見た感じでした。これで本当に歴史がわかれば面白い…まだ自分が進路を選択できる年代だったら、間違いなく中東の考古学を専攻したい、と思うくらいです。派手なものもいいですが、知られることなく地域に愛され、そして時代と共に朽ちていく。それも運命のような。そんな遺跡も素敵だと思いました。

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