文:モーテン・デュアー
絵:ラース・ホーネマン
訳:荒木美弥子
図書文具関連を扱っている友人からシリア紛争をテーマにした絵本をいただきました。タイトルはゼノビア。かつてシリアの都市、パルミラを治めていた女王の名前です。
内容はとてもシンプルですが残酷。(※以下ネタバレも含みます)
主人公は小さな女の子。お父さんと一緒に遊び、お母さんと一緒に料理を作るというありふれた日常がいきなり奪われ、脱出する船にのせられ沈んでしまう…というもの。ゼノビアはシリアの強い女性の象徴、ゼノビアのように私も頑張れると。
子どもはなぜ今のようになっているのか、何が起こっているのかなんてわからないはず。この絵本は少ない文字、シンプルなイラストで状況の変化や子どもの心情の変化を描き、子どもには紛争の怖さを伝え、大人には考えさせる。写真や文字では伝えることがない、自分自身でゆっくり考えることの大切さ。そんなことを投げかけている絵本のような気がしました。
この絵本はクラウドファンディングにより出版されました(画像をクリックするとサイトへとびます)。以下はそのときのプロジェクトのページと著者からのメッセージです。こちらも併せてごらんいただければと思います。