【用語解説】セルビス(乗合ワゴン)

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シリアやアラブ周辺で使われている言葉や物・コトなどをご紹介していきます。※私の体験をもとにした主観的なものであり、また2007年~2009年の時点の状況にもとづいた解説だということをご理解のうえお読みください。


タクシーにならびシリアの主要交通手段の一つであるセルビス。路線が決まった乗合ワゴンなのですがこれがまた格安で便利。タクシーよりも間違いなく多く乗っており、かつ様々なドラマ生まれ、ネタの宝庫でもあるセルビス。私が出会ったエピソードを交えつつ、セルビスを紹介します。

そもそもセルビスとは?

一言でいえば乗合ワゴンです。様々な路線があり、定額で経路内であればどこでも乗降が可能。地方ではちょっとしたとこなら経路を外れて行ってくれるときもあります。料金はダマスカス市内で20円~40円程度だったと思います。

セルビスの乗り方

ガラージュ(セルビス乗り場)から乗る

市内には何か所かガラージュ(セルビスやバス乗り場)があり、始発から乗りたいときや長距離路線に乗る場合はガラージュから乗ります。特に出発時間が決まっているわけでもないので、行ってあったらラッキー。人が集まり次第出発します。

路線上で乗る

セルビスの上には行き先が書いた看板があります。それを見て人差し指を立てて道路に下げてセルビスをとめて乗り込みます。赴任当初は全然読めなかったのですが、路線で色分けされているので色で判断していました。

お金を払う

セルビスに乗ったらまずお金を払います。路線にもよりますが、数十円で結構なところまで行けるので便利です。

目的地が近づいたら『下ろしてください。』と告げる

目的地が近づいてきたら下りる意志を伝えます。場所がわかれば「○○の前で」とか、その辺で降りたい場合は「右によって降ろしてださい(※シリアは右側通行)」など伝え方は様々。

土地感がない場所では、行きたい場所を最初に告げそこでとめて降ろしてもらいます。

以上がセルビスの乗り方です。金額も決まっているのでタクシーのようにもめることはありませんが、様々なドラマが生まれるのがこのセルビス。以下ではそのエピソードをいくつかご紹介します。

セルビスって面白い!

乗客が会計をする

セルビスに乗ると初めにお金を払います。人数が少なければ直接運転手にお金を渡しますが、沢山の人が乗っている場合は乗客、特に助手席に乗っている人がお金を受け取りって取りまとめたり、お釣りを渡したりします。

必ず乗客を介しますので、間違えたり、ごまかしたりすることはまずありません。

赴任当初は会計係になるのが嫌で後ろの席の方に座っていたのですが、慣れてくると前の方に座るようになり、そうなると必然的に会計係をやらされます。シリアの人たちも普通にお金を渡してくるので、そのときはシリアの一員になれた気がして嬉しかったです。

必ず誰かと会う(長距離の場合)。そして…

私が住んでいた村はダマスカスから40分くらい離れた郊外のハランという村ですが、ダマスカスとハランはよく行き来をしていてました。その時に使うのもセルビスです。こういった長距離路線だと乗る人は決まって村の人。となると必ず誰か知っている人が乗っています。そんなとき必ず言われるのが「タファッダル」という言葉。直訳すると「どうぞ」、意訳すると「寄ってけよ」という意味の言葉。「じゃあね」という意味合いで使うので、「どうぞ」と言われたら「ありがとう」で返して普通は終わりなのですが、たまに本気の「タファダル」があります。本気で言われたら最後、断ることはできず長時間のお茶、ご飯に付き合うことになります。なので知り合いがいるといつもドキドキでした。

会議室。セルビス。

これも村路線でよくあったことですが、知っている人が多いため井戸端会議の場になることもしばしば。一度宗教について大激論になったことがありますが、そのときはしんどかったです。

こんな利用の仕方も!

数名で移動したいときやどこか観光したいときは、お願いすれば路線関係なく貸切ることができます。車がなかなか通らない郊外や名もない遺跡を巡るときにはお願いしたりしていました。

まとめ

以上シリアの庶民の足、セルビスですが、最初はドキドキしたものの、慣れるとこんな便利な乗り物はありません。日本でもあればいいのに、と結構リアルに思います。シリアに行ける日がきたら、まずはセルビスに乗り、かつて住んでいたハランに行ってみたいです。

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