執筆:2008年10月11日
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スウェーダのリンゴ畑にて、日本では出会ったことのない奇跡のりんごに出会いました。
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昨日はシリア南部まで来たので私は一泊して、またスウェーダ周辺のりんご畑めぐりをすることにしました。そこで訪ねたりんご畑での出来事です。一つ食べさせてもらうとこれまでに食べたことのない強烈な甘さ。これは糖度どれくらいあるのだろう…と調べてみるとなんと20度。日本だと13度~15度で美味しいりんごですが、それからさらに5度も高い。もうびっくりです。
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日本と比べると栽培環境も恵まれてるとは言えず、栽培管理方法良いとは言えず、それでもこのクオリティーのりんごができる。日本であそこまで手をかけて管理しているのがなんなんだ、と思うくらいでした。
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おそらくは水分量なんだろうな、と思います。そういえばシリアの果物は甘みが強いものが多いです。スウェーダの降水量は年間で500ml程度。日本に比べれば少ないですが、シリアの中ではそこそこ多い方です。園地によっては潅水もしてますが、この絶妙な降水量がこの味を生み出してるのかな、と思いました。
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中では選果の様子も見せてくれましたが、大きさの基準となる枠を使って選ぶ程度です。表面のさびや形も気にしません。
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日本に比べればはるかに甘い選果基準ですが、それを通過したりんごはきれいに箱詰めされて出荷されます。
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日本では青森の木村秋則さんが無農薬で作るりんごが奇跡のりんごと言われていますが、シリアでは間違いなくこれが奇跡のりんごです。日本とシリアでは環境が違いますし、日本のりんごももちろんおいしいですし、色や形もきれい、そして安定した収量も考えた栽培管理を行っている。そう考えると簡単にどちらが良いとは言えませんが、私たちが逆に取り入れるべきこともシリアのりんご栽培にあるのかもしれません。もしかしたら色形だってそんなにこだわる必要がない、そんな考え方だって出てくる、というか一つの選択肢、新たな価値として認められる日が来るかもしれない。など、いろいろ考えさせられたシリア版奇跡のりんごでした。