執筆:2008年12月30日
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12月27日、パレスチナはガザ地区においてイスラエル軍の大規模な空爆が行われました。イスラエルとハマスの間で6月に半年間の停戦が合意されたのですが、その後も断続的の衝突が続き、停戦合意が延長されず失効したことを受けイスラエル軍が大規模空爆に踏み切ったとのことです。
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このニュースは同じアラブ民族のシリアの人たちにとっても他人ごとではありません。むしろアラブの国々はこれまでイスラエルとは何度も戦争を重ね、中でもシリアはゴラン高原を占領されていることもあり、イスラエルとはいまだ準戦時下という状態。町にはパレスチナやそれを支援する組織の旗が掲げれれていました。
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夜になるとまちのいたるところに声を上げる若者の集団がありました。
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また道にはこのようにイスラエルの国旗が敷かれ、道行く人は踏んでいました。市民が怒りをこのよに表現する姿はテレビでは見たことがありましたが、実際見るのは初めてです。
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ただその怒りが本気なのか。みんなそうなのか…といえば実際はそうでもなさそう、というのが私が感じた印象です。こちらでは道路にペンキでイスラエルの国旗を描いていましたが、みんなどこか他人ごとのようで楽しそうでした。
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シリア国内にはパレスチナ難民キャンプもあり、パレスチナ出身の人たちも沢山います。シリア自体も土地を奪われ、分断された家族もおり決して他人ごとではありません。でもどこか感じる他人ごとのような雰囲気。みんなが怒り狂っていればいいのか…というわけではありませんが。
しかしそういえばこの違和感。もしかしたら私たちにも言えるのかなぁ…と思いました。「日本はアメリカに原爆も落とされ、あれだけひどい目にあわされたのに何で仲良くしているんだ」とシリアの人たち言われることがあります。なんかそれに近いんじゃないかと。
どちらが正しいのか間違えているのか。正常なのか異常なのかはわかりませんが、これが現実。パレスチナがイスラエルに占領されてアラブ人がみな怒り狂っている様子はもしかしたら私たちが抱く先入観なのかもしれません。
ともあれ、日本が戦後これまで他国と争うことなく平和に暮らすことができていることは誰に何と言われようととてつもなく貴重な財産なのかな…と思います。