執筆:2009年1月1日
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日本から遅れること7時間。シリアも2009年を迎えました。シリアで迎える新年は今年で2回目。今日は休日ですがシリアでは特に何を祝うでもなく、いつもと変わらず穏やかな一日でした。
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とはいってもまずはウマイヤド・モスク。ウマイヤド・モスクが完成したのは715年ですが、それ以前からその地には教会があったり、さらにそれ以前は古代の神々を祭る神殿があったそうで、その名残がモスクのあちらこちらに見ることができます。
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ウマイヤド・モスクの壁面ですが、古代神殿の入り口だそうです。何千年もの間にちりが積もるなどして地盤が上がったそうで、このように低くなっているそうです。
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ギリシャ文字が刻まれた壁。建物そのままではなくても、壁在として利用したのかもしれない、とのことです。ウマイヤド・モスクのみならず、シリアには普通に古代の建物の一部を使った家があります。
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こちらは銃弾の痕だそうです。かつての戦争の痕もこうして残っています。もちろん内部も美しく見どころ満載なのですが、こうしてゆっくり見てみるとモスクが積み重ねてきた歴史を目の当たりにすることができます。
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アーチから見るモスク。狭い路地を通り、アーチをくぐり見えてくる小さなモスクですが、個人的にこの景色もツボです。
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もはや人は住んでいないだろう建物ですが、おそらくオスマン帝国時代の建物だろうと思います。正しいかはわかりませんが妄想はだけ膨らみます。
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道にはダビデの星。ガザ紛争はまだ続いています。
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夜もまた美しいのがダマスカス旧市街。まちは薄暗いながら、オレンジの柔らかな光に包まれます。こちらはギリシャだったかローマだったかの時代の石柱。いろんなものが再利用されています。
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小道から見る灯りに照らされたウマイヤド・モスクのミナレット。ちなみに結構遅い時間でしたが人通りも多く、危険を感じたことは一度もありません。
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左の店はダマスカス旧市街でも大人気のクロワッサン屋。私も通るたび買います。ここのクロワッサンは超絶品です。
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ダマスカス旧市街は世界で一番古くから人が住み続けている街としても知られているそうで古代から近代まで、その痕跡はいたるところで見ることができます。日本なら完全に分けてきちんと管理し、文化財として、観光資源として活用しそうなものですが、シリアではそこまで厳格な管理はされておらず、むしろそのまま生活の一部に溶け込み現在と共存している、そんな感じがします。
ダマスカス旧市街は世界遺産…といっても、インパクトがあるものはそんなにないかもしれませんが、そういった視点で歩くと本当に魅力が尽きない街です。