デュラ・ユーロポス

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執筆:2009年5月8日


急きょ思い立ち、シリア東部のデリゾール方面に行ってきました。

今回も足は寝台列車。あまり乗る機会がないのでワクワクです。

揺れと騒音であまり寝られず、6時頃に目が覚めてしましました。しかし車窓の景色が絶景でした。

車窓から見えるのはユーフラテス川。電車は川沿いに沿って走っているのですが、ゆっくり夜が明け、太陽に照らされる車窓からの風景は旅情も相まって絶景の一言です。ずっと眺めてても飽きません。

いつか行ってみたいと思っていた遺跡、ハラビーエ・ウ・ゼルビーエも偶然見ることが出来ました。もとはパルミラの女王ゼノビアが作ったお城だそうなのですが、その後ビザンツ帝国がペルシャからの攻撃を防ぐために再建したお城とのことです。そんな最前線がここだったんだというのも想像するだけですごい。

デリゾールに到着し、お腹がすいたので何か食べられるところがないかと差がいしていると一人のシリア人に声をかけられました。最初はお決まりのお前は日本人か中国人かから始まり、日本のことをいろいろ聞かれていたのですが、なんやかんやでうち来てご飯食べなよ!となり、お邪魔することになりました。

名前は忘れましたが、鶏肉が上にのったご飯など…大量にいただきました。

ご家族と一緒に。ありがとうございました!

その後セルビスにのって南へ。目指すはデュラ・ユーロポスです。

場所はデリゾールから1時間程度。しかしそこは周りに町も何もない音も聞こえない砂漠のど真ん中。降りた瞬間帰れるのだろうか…と不安もよぎりました。

しかし遺跡はその不安を吹き飛ばすくらい圧巻でした。この遺跡はパルミラよりさらに古く、アレキサンダー大王の東方遠征でセレウコスにより統治された時代のものです。時代的には紀元前300年くらいでしょうか。

2000年以上前から現在までほぼ手つかずではないかという朽ち具合、それでもどこからか感じるこの地を守ってきたという風格。派手さはありませんが惹きつけられるものがあります。

それほど発掘が進んでいるわけでもなく、地球の歩き方でも情報は班ページ程度。1920年ごろのに発見されたそうですが、政情不安や資金難により調査が進まなかったそうです。

入口では一応マップのようなものをもらったので、大まかなことは分かったのですがそれでもまだ大半が埋もれている遺跡。足元にも食器(?)的なかけらがゴロゴロ転がっていました。遺跡の詳細はこちら(Wikipedia:ドゥラ・エウロポス)

※2020年4月追記※
この遺跡もシリア紛争により大規模な盗掘にあったとのこと。衛星写真を見ると穴だらけになっていました。

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