ラタキア珍道中。絵入りりんご生産講習会にて。

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執筆:2009年6月15日
※青年海外協力隊で活動していた当時のブログから記事を移行しています。


急きょ決まったラタキアでの講習会。楽しかったですが、かなりしんどかったです…ラタキアはダマスカスから車で4時間半~5時間。日本だと青森から福島くらいまででしょうか。遠いんです。そんなラタキアでの講習を日帰りでやろう、というもんだからきついだろうな、というのは想像してましたが、体調が悪かったこともあり、想像を超えるきつさでした…

7時、ダマスカス出発 。農業普及局の車で移動です。今日の講習を共にするのは、農業普及局で講習やら普及計画を統括するウスターズ・サーレヘ、その中でもリンゴを専門とするウスターズ・マーゼン、運転手、そして私の4人です。ちなみに、『ウスターズ』というのはアラビア語で『先生』という意味です。講習は大体このメンバーで行っています。

9時、中間地点のホムスで遅い朝食。フール、サラダ、ファラーフェル、ホブズを食べました。シリアでは典型的な朝食ですが、朝からお腹が痛い私には非常にハードでした。

10時、タルトゥース着。海が見えます。「海水パンツ持ってきたかい?」と、この時点ではまだジョークを飛ばす余裕もありました。

11時、まだラタキアに着きません。そろそろ今日講習ができるのか、そして何時にダマスカスに帰れるのかが徐々に気になってきます。

12時、やっとラタキアに着きました。沿岸の町ということもあってか、ここがシリアか、と思うくらい町の雰囲気も華やかです。まずは町中にあるラタキア県の農業普及局で挨拶。

12時半、挨拶を終え、講習場所へ出発。昨日は町から30分位の場所にある、という話でした。となると、現場へ着くのが13時、2時間講習をして15時、となるとダマスカス帰着時間は20時くらいになるのかな~と、この辺りからダマスカス帰着時間を計算し始めました。

13時半、現場到着。ついた場所はオウビーンというラタキアの山の中の村。町の華やかさなど全く無く、典型的なシリアの村といった感じです。山、谷を越え結局1時間かかりました。おなかの痛さに車酔いが重なり、気分は最悪です。

オウビーンでもリンゴを対象としたファーマーズ・スクールが行われており、現場に着いたときはまだ講習の最中でした。私の講習はファーマーズ・スクールの最後にやらせてもらっているため、しばらくは講習の見学です。

ファーマーズ・スクールというのは何でもFAOが提唱したものらしく、シリアでもそれに準じ、最近始めたそうです。なので講習の内容、方法も手探り状態で、ウスターズ・サーレヘは私の講習の相方であると同時に、その講習のチェックも行っています。

14時、まだ終わりません。この時点で、私の計算ではダマスカス帰着時間は21時を越えています。どんどん計算が狂っていきます。

14時半、とうとう私の出番が来ました。本当は2時間くらいのプログラムを組んでいたのですが、時間もないので1時間に凝縮し、16時には講習を終えました。

16時半、アラブ漢方の医者を尋ねる。言い方は正しくないでしょうが、ラタキアにアラブ漢方というか薬草の医者がいるらしく、なぜかそこに寄ることになりました。

ここで暴走したのがリンゴの専門家、ウスターズ・マーゼン。彼は薬草にも造詣が深く、その医者と意気投合してしまい一人でずっと話してました。話が途切れたところで「じゃあそろそろ・・・」と誰かが切りだすのですが、それを遮るかのように話を続けます。

話が終わり、帰る途中も草を見ては説明し出し、なかなか帰れません。

結局そこを出発したのが17時。ここまでくると「もう帰れないんじゃないの?」と思い始めます。

18時、ラタキア農業普及局着。ここで職員を1人降ろし、ダマスカスに帰る予定だったのですが、普及局に着くと夕食が用意されていました。これにはさすがに皆焦っていました。本当に帰れなくなるんじゃないか、と。

用意されていたのはシリア版ファーストフード。ポテトフライとサラダと鶏肉。1人前が3人前くらいあるんじゃないかというありえないボリューム。「遅くなるから。」と断ってくれないかな~と内心期待していたのですが、それを断れないのがまたシリア人らしいところ。

私はお腹が痛くほとんど食べれなかったのですが、それを見た普及局の人が、「食べれないのか?」と気を使ってくれたのはいいのですが、「じゃあ別なものを買ってこよう。」と立ち上がったときは全力で断りました。

最後は、「こんなので申し訳ない、もっともてなしたかったのだが。」などと自分をものすごく責めていました。さすがおもてなしの文化です。嬉しいし、素敵だと思いますが、欲を言えばこのあとダマスカスに帰らなければいけない、という事情も考慮して欲しかったです…

19時、ラタキア発。日も暮れかけ、地中海に沈む夕日は綺麗でした。そんな感傷に浸りつつも、頭の中は腹痛といつダマスカスに着くのか、ということでいっぱいでした。

結局ダマスカスについたのは23時。

もうくたくたです。

この日の総移動距離は1,000km、乗車時間10時間。

みんな懲りたようで、結局、次回は「泊まりで…」ということになりました。

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