アイマンは来てくれるのか?シリアでの講義方法。

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執筆:2009年8月6日
※青年海外協力隊で活動していた当時のブログから記事を移行しています。


朝、職場に着くなり一番にアイマンのところに行きました。さて一緒にフィールドデーに行くことができるか。

フィールドデーに一緒に行けるか!?

「今日一緒にフィールドデーに行って欲しいんだけど…」

と聞くと答えは

「アイム ソーリー」

やはりラッカに行くのか、と思い理由を尋ねるとラッカ行きは中止になった様子。でも会議が入ったとかで行けなくなったそうです。残念ですがそれならばしょうがありません。ということで一緒に行くのはあきらめて1人で行くことにしました。

本日の講習

フィールドデーは10時30分からなのでまずズブディーンの普及所に向かいました。ズブディーンの普及所も私の職場から近く、直接だと20分位で着きます。ただセルビスが少し不便なので時間がかかります。この日はウサーマが途中まで迎えに来てくれました。

普及所でいろいろ話を聞いたのですが、今日のフィールドデーは2グループの農家を対象に行われます。1グループはすでに近代灌漑を導入しているグループ。もう1つのグループはこれから近代灌漑を導入する予定のグループ。さらに人数も10人程度と絞っているそうです。理由は人数が多いと講習がやりづらいから。 私はこれらのアイデアすごくいいと思います。やはり闇雲に農家を集め講習を行っても興味のない人には関心ないでしょうし、人数が多いとやりづらいというのも確かですし。

肝心の講習内容ですがテーマは2つ。1つ目は経済。近代灌漑を導入するとどれだけ得するということを教えるそうです。2つ目は水圧と流量の関係。ちょっと説明だけでは理解しきれませんでした。フィールドデーの会場に移動はムレイハにある農家。これがまた大きな家を持った農家でした。きっと農業以外の仕事もしてる兼業だろうと思います。そして事前には10人程度と聞いていたのですが、どんどん人が集まり講習が始まる頃には30人位はいたのではないでしょうか、かなりの人がいました。

1つ目のテーマ、近代灌漑の経済性。これはうまいな、と思いました。ウサーマが一方的に説明するだけではなく、すでに近代灌漑を導入している農家にどれくらい収入は変わったか、仕事の量は変わったか、と質問をするようなインタビュー形式で行っていました。これなら導入を考えている農家もわかりやすいと思います。2つ目は圧力と流量の関係。

同じ圧力でホースの先端と中央部と基部でどれだけ流量に差がでるのか、ということを説明して畑で測定しました。

講習後は休憩。農家の家の中に入ったのですが、すごく広くて中には小さなプールもありました。でもプールでは水が流しっぱなし…

これではせっかく畑で水を節約しても意味がないです…そしてみんなでお昼ご飯。

講習会所感

さて、肝心の講習会。 アイマンを連れてこなくてよかったなと思いました。結構グダグダで連れてきたところできっと飽きられただろうし、今後一緒に仕事をしようなどという気持ちにはならなかったと思います。本当はそういうところも含めて一緒に取り組んでいければいいんでしょけど…シリア人研究者の気質的なたぶんなかなかそうはならないはず。

私はとにかく一緒に行って、交流の場を作り、あわよくば今後一緒に仕事ができるような方向性を見いだせないか、という期待を抱いていたのですが、それは甘い考えでした。連れて行くからには何をする、というもっと具体的な目的がなければなあなあになって終わってしまいます。これは今回私が反省すべき点です。

でも講習自体は、ウサーマはすごく頑張っていました。人数を限定すること、対象農家を選定することなど、私にとっても勉強になるところはたくさんありましたし。気になったところといえば段取りの悪さでしょうか。資料の準備や、講義の進め方が良くなかったような気がしました。でもそれはウサーマだけの責任ではありません。シリア人、特に農家に対して講義をする、ということは本当に難しいことだと思います。それはこちらの習慣からくるところもあるのですが、まず一つにシリア人は講義を受けるということに慣れていないし、好きじゃないと思います。特にそれが農家となるとなおさらで、早くから学校に行くことをやめ仕事をしている人も多いし、年配の人が多いので長時間の講義というのは疲れるんだと思います。

ウサーマの講義の仕方はプロジェクトの研修(日本人専門家、もしくはシリア人カウンターパートが講師でウサーマのような普及員に対し行う講義)での講義方法に近いように感じました。でもそれは対象が大学や専門学校を出て、しっかり教育を受けている普及員だから通用する方法であり、農家にその方法で講義を行うのは適当ではないような気がしました。といってもSMS(灌漑専門員)研修を見る限りでは普及員に対しても通用してなかった気がしますが… 講義法は要検討事項だと思います。

こういうことを考えるとはじめから活動先がここだったらな、とも思ってしまいます。でも、はじめから活動先がズブディーンの普及所だからと言ってうまくいくとは限りませんが。難しいとこですね…

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