執筆:2009年1月30日
1年数カ月のシリアでの生活で『地球の歩き方』に載っているような主要な観光地はほとんど行きました。しかしまだまだシリアには隠れた魅力があるはず。残りの期間は隠れたシリアの魅力を見つけよう、ということで、口コミなどをたよりに、シリアをぐってみることにしました。
その第1弾。ナバックにあるデル・マル・ムーサという修道院に行ってみることにしました。ナバックはダマスカス郊外にあるガラージュ・アッバーシーンから約1時間。ダマスカスからなら全然日帰りで行ける距離です。ナバックは小さいですが落ち着いた街並みでした。
地図を片手にガラージュを歩いていたらセルビスの運転手に呼び止められ、事務所に連れて行か れました。
そして「どこへ行くんだ?」「中国人か?日本人か?」「俺たちの車は全部日本製なんだぜ。」など、お決まりの会話です。
地図を見ながら事務所で情報収集したのですが、ナバックはデル・マル・ムーサ以外に見るところはなく、そこはタクシーかセルビスを貸し切らなければいけないようだったのでセルビスを借りて行くことにしました。
デル・マル・ムーサはナバックの東。パルミラの方向です。セルビスから見える景色は一面の砂漠。砂漠自体は全然珍しくもないのですが、そこには砂漠の谷が広がり、高いところからは遠くまで見渡せて幻想的な景色が広がっていました。
修道院は砂漠、山の奥深くにあり『誰がなぜこんなところに作ったんだろう?』と考えずにはいられませんでした。
修道院へ行くためには長い階段を登ります。
そこにそびえ立つ教会と修道院。修道院は6世紀中ごろに作られたもので最も古く、教会は1058年に作られたそうです。
修道院内部にはフレスコ画がきれいに残されていました。
ここは誰でも宿泊できるようで、宿泊施設も整備されていました。
人里離れて音のない世界が広がっていました。今日は泊まることはできませんが、次は是非泊まってみたいと思います。
ナバックはキリスト教徒の多い町で、町の中には教会が沢山あります。どこか見れないかな…と何件かまわってみたら、神父さんが声をかけてくれ中を見せてくれました。
穏やかな話し方をする神父さんでいろいろ教えてくれました。
そしてもう一軒。こちらは教会というよりは、中が半分博物館のようになっていました。
建物には古い道具が置いてあったり、フレスコ画が残されていたり、地下に空間が広がっていました。迫害されたキリスト教徒が地下で隠れて信仰を守っていたようです。
このようにシリアにはまだまだ知らない遺跡などが沢山あります。残された期間でどれだけ回ることが出来るのか。新たな楽しみができました。