執筆:2009年6月5日
先日タクシーに乗ったら「タクシーは禁煙になったんだぜ。知ってるかい?」と運転手に言われました。「守る奴なんていないけどな。へっへっへ。」と付け加えられましたが。
シリアの道路は無法地帯ですが、ここ一年シリアの交通ルールが強化されています。例えばシートベルト。私がシリアに赴任した当初はシートベルトをしている人なんて誰もいませんでしたが、最近はみなシートベルトをしており、タクシーに乗ってもシートベルトをしろと言われます。といってもダマスカスのみで、ダマスカスを一歩外にでるとシートベルトなんてはずしてしまいますが。
あと料金メーター。前よりもメーターを動かさないタクシーが減りました。前は乗る前に「ショゴル アッダード?(メーター動くか?)」といちいち確認して乗っていたのですが今ではその必要もありません。
交通ルールだけではありませんが、道端にゴミを捨てない、信号無視はしない、待つときはきちんと並ぶ、などの日常生活におけるルールというかマナーというか、そういうものはシリアにはありません。
それは彼ら自身も自覚しているようで「シリアにはニザーム(秩序、規則など)はないんだ。」と言います。
なので彼らはイライラはするようですが、それを非常識と思うこともなく日々過ごしているわけです。しかし完璧ではないにしろ、一応ニザームがある日本で育った我々にしてみれば彼らのそういう行為に抵抗があるわけですが、ときによっては彼らのように振舞わざるを得ないときもあります。例えばシリアで順番待ちなどありえないので、バスのチケットなどは強引に行かなければいつまでも買えません。 セルビスなんかも時にはカオスで無理やり乗らないと家に帰れません。
私なんかはきちんと並んで買った方が早いし、もめないし、車もまた同じで、きちんと車線内をはしれば無駄な渋滞も起こることがないと思うのですが。こういうことって当たり前だと思っていたのですが、そうではないんですね。シリアに来てわかりました。それができている日本ってすごいと思います。