シリアンアーンミエの謎

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執筆:2009年6月30日
※青年海外協力隊で活動していた当時のブログから記事を移行しています。


ワーエルとの会話中「ヤーレイト」と言っていたので、どういう意味か尋ねたところ、「I hope」 だと教えてくれました。ちなみにフスハーだと「アタマンナー」です。 その後、シリア・アーンミエの話になり、これがなかなか新しい話で面白いな、思いました。

アラビア語のフスハーとアーンミエとは

アラビア語のフスハーとはいわゆる標準語、アーンミエとはいわゆる方言です。アーンミエは地域によって大まかに違いますが、シリアで話されているアーンミエはヨルダン、パレスチナ、イラク、レバノンなどとベースは同じだそうで、若干の違いはあるものの会話は通じます。これがアラブの最西端モロッコなんかになると、シリア人でもわからないそうです。

シリアのアーンミエの由来

じゃあこのアーンミエ、特にシリアのアーンミエが何に由来するか、ということです。私はフスハーが何らかの形で変化したものだと思っていました。それは半分正解です。じゃあ、なんの影響を受けたのか?という話です。それがワーエルが言うには古代人の影響だということらしいです。TVで見たらしいです。

例えば…ということで次の通り教えてくれました。

A:フェニーキー(フェニキア人)。ギリシャなどとの地中海貿易を支配していたそうです。また、現在のアルファベットの基となる言葉も使っていたみたいです。

B:アラーミー(アラム人)。ここに住んでいる人は現在でもキリストが使っていたと言われるアラム語を使用しています。

C:カナーニー(カナン人)。パレスチナ、シリア南部に住んでおり、ナバタイ人(ぺトラに住んでいた人々)とも関係あるらしいです。

D:アーショーリー(アッシリア人)。ユーフラテス川近辺で文明を築いた人たちだそうです。

アラブ人ではなくシリア人?

もうどの古代人もどこかで聞いたことがある古代ロマンあふれる人たちですが、 シリア方言はこれらの古代人の影響を受けているそうです。なので、ワーエルが見たTVの教授はサウジアラビアやイエメン、オマーンなどアラビア半島の人々のことをアラブ人と呼び、いわゆるビラード・アッシャーム(歴史的大シリア)の人々はアラブ人ではなくシリア人と呼ぶべきだ、と主張しているそうです。

ワーエルは古代から高度な文明を築いた人たちにシリア・アーンミエが由来することに感動したらしく、シリア・アーンミエに誇りを持つようになったそうです。

その一方で、シリア人は昔から高度な文明を持っていたのに、同じ時にアラブ人(アラビア半島の人々)は動物を追いかけていただけだ、ともバカにしていましたが。

素人考えかもしれませんが、よく考えれば言語なんてパッと生まれて広がるものでもないでしょうし、どんな言語でも元をたどれば行きつくとこがあるわけで、それがシリア・アーンミエの場合、フェニキア人、アラム人等の古代人に由来することがわかったというだけで、なにも自慢することでもないような気もしますが、これだけ研究されているのはすごいな、と思いました。

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