日本式りんご栽培とシリア式のりんご栽培の比較@スルガヤ

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執筆:2009年6月30日
※青年海外協力隊で活動していた当時のブログから記事を移行しています。


今日も雲ひとつない青空。今日の活動先のスルガヤは同じルーラル・ダマスカス県内でもナシャビエに比べるとだいぶ涼しく、かなり過ごしやすいです。今日の仕事は実験に使用する樹への目印付けと摘果と袋かけです。

日本式りんご栽培とシリア式のりんご栽培の比較にチャレンジ!

今回の試験では赤色品種だけを供試する予定で、スタークリムソンを10樹使わせてもらうことになりました。10樹の内訳は8樹が処理区で、2樹が対照区。試験といってもたいしたことをやるわけではありません。

処理区は日本式の管理+袋かけ、つまり摘果→袋かけ→夏季剪定→除袋→着色管理→収穫。対照区はシリア式管理、つまり何もしません。

もちろん農薬散布や灌漑は行っていますが、それ以外は基本的に何もしません。なので、今回の試験は①絵入りりんご作成(付加価値をつけた果実の生産、農家の興味を引くための材料)② 日本式管理区とシリア式管理区の比較主に果実)を目的に行う予定です。

試験方法の比較から

今日の仕事の一つ、目印付け。単純に試験に使用する樹に目印をつけるだけです。ちなみに写真はアラビア語でシャーヘド、対照区です。アラビア語で書き、ラミネート加工して樹に巻きつけるだけの単純な作業なのですが、これがかなり重要。

私たち日本人がシリアの試験場で活動する上で重要なのは結果よりもむしろその過程ではないかと私は思っています。2年間で試験を行い良い結果を出そうなんてそんな簡単な話はありません。それよりなら、日本人がどういう風に試験に取り組み、その結果をどういう風に考え、どう次につなげるかという過程を示すことの方が大事な気がします。そういう意味でも基本的なことですが、試験に使用する樹にわかりやすく目印をつける、ということも大事な試験過程の一です。

丁寧すぎる日本の摘果技術

2つ目の仕事は摘果。前にも書いたようにシリアでは摘果をしません。というか摘果をすると「ハラーム!」(宗教的に禁止の意)とまで言われます。なので、成り年のりんごの樹は鈴成り。よって、今年は日本式管理とシリア式管理でどれだけ果実品質が違うか比較したいと思っています。しかし、摘果時期が若干遅れたので、明確な差が表れるのかという不安もありますが。

1回目は側果、腋芽果を摘む粗摘果。これくらいなら私でも簡単にできます。

2回目は着果程度を調整する仕上げ摘果。これが難しいんです。品種により何頂芽に一果残しなさい、という一応の基準はあるのですが、実際やるとなると簡単にいきません。大抵の場合成らせすぎというケースが多いようです。実際私も大学時代はそうでした。今ちょうどいいと思っても、先生にチェックしてもらうと多い!と怒られることもしばしば。

3回目は見直し摘果。摘み残しがないかチェックしたり、多かったら着果量を調節したりします。

摘果は樹勢や周りの着果程度をしっかり考慮して行わなければならず、摘果技術を習得するにはかなりの経験が必要なのではないか、と私は思います。

こちらが試験樹(摘果)。若干多めの感じもしますが、私の摘果技術なんてこの程度です。

りんごの袋かけ

そして3つ目の仕事が袋かけ。去年は着果状態が極めて悪く、袋をかける果実もがんばって探し、樹冠内部にある果実も無理して使いました。しかし今年は去年と全く異なり着果状態がよく、袋をかける果実は選び放題です。

特等席にパネル展示

この日は去年の試験で行った絵入りりんごの作成過程をパネルにして試験場に持って行きました。隣の写真は現大統領の弟の写真 。超特等席です。

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