だいぶ前になりますが1月24日、さろん土あおもり様の例会でお話をさせていただきました。
その1.地元・家族の大切さ
一番は何かと言われれば真っ先にこれを答えます。私はシリアのダマスカス郊外にあるハランという小さな村で暮らしていましたが、そこでは村の人みんなが家族のように接してくれました。夜にはご飯に呼んでくれ、休みの日にはお茶を飲みに来いと声をかけてくれ。一人になる時間なんてありませんでした。それは私が外人だからというわけではなく、村の人みんながそんな関係の中で生活をしています。
村人、近所みんなが家族ー日本もかつてはそんな時代があったのかもしれませんし、自分自身の過去を振り返っても、今より子どもの頃の方がそんな感じだったような気がします。
今ではすぐにどこにでも行けるようになり、一人でもなんでもできるようになり、いつでもどこでも誰とでも繋がれるようになりました。それはそれで素晴らしい技術の進歩、その在り方で私たちの生活が変わるのは必然的なことであり、どんどん受け入れるべきだと思っています。でもだからこそ昔のような人間関係が美しく見えたのかもしれません。それはある意味ないものねだりかもしれませんし、シリアだっていつか同じようになってしまうかもしれません。
ということでおかげさまで25歳くらいまで続いていた反抗期は消え、今は地元青森で家族のそばで生活しています。シリアで地域がみんな家族のような生活の中で過ごすうちに、地元や家族を尊く感じ、何があるからというわけではなく、純粋に自分が生まれ育った故郷や家族を愛おしいと思うようになりました。
青年海外協力隊で現地にどっぷりつかる活動、生活をしていないと気づいてないかもしれませんし、今頃青森にいないかもしれません。それが悪いということではありませんが、そこまで自分の気持ちに変化をもたらしてくれた経験は私の中で大きなターニングポイントであり一番学んだことです。それを教えてくれたシリアの人たちには本当に感謝です。