執筆:2008年9月15日
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シリアの試験場は科学農業研究総局(GCSAR:General Commission of Scientific Agricultural Research )の下部機関に属し、GCSARはシリアの農業研究に関する中央の機関です。
目次
シリア人の仕事観
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私はりんごの袋かけの試験を行っており、今日はりんごの果実品質分析のために、りんごの果実をGCSARに持っていきました。シリアの試験場には分析機器が無いため、サンプルをGCSARの実験室まで持っていき、専門の職員に分析をお願いしなければいけません。
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分析は今回で4回目なのですが、中央の実験室がなかなかの曲者で順調に分析が進みません。約束をすっぽかされることもざらで、しかもその理由が疲れたからとか今日は職員が少ないからとか。
今日もそんな不安を胸に実験室に向かいました。
実験室に入り、
「今日は分析できますか?」と聞くと、
「今日は無理。仕事がたくさんあるんだ。」
でました。
また先延ばしか…と思いつつ、隣にいた職員の衝撃の一言。
「サンプル捨てちゃったわよ。」
いやいやいや、びっくりです。ほんと。使うって言ったのに。
数十個分析しただけで結果が得られると思っているのか。
どこかでうまく伝わってなかったところがあったのかもしれません。でも他の隊員の話を聞くと、こんなことはよくあることだそうで、みんなもイライラしてるようです。
仕事に関しては日本人に比べるとシリア人は非常に雑だな…と思います。時間や約束を守らなかったり、仕事をすぐサボったり。あと、集中力がありません。
細々とした作業や、同じ作業は苦手です。みんながみんなじゃないですけど。日本人がまじめすぎるのでしょうか?わかりませんが。
シリアのりんごに関する本を書いていた果樹の先生との巡り合わせ
そんなこんなで試験場をあとにしようとしたとき
「Can I help you?」
と、一人のシリア人が英語で話しかけてました。
しばらくそのシリア人と立ち話をしていると、なんとその人、果樹の先生だったのです!!今は堅果類の研究をしてるそうなのですが、かつてはりんごの研究もしていたそうです!部屋に招いてくれ、いろいろ見せてもらったのですが、またこの先生、シリアのりんごに関する本も書いおりました!!こういう本探してたんです!今度売ってくれることになりました。
もうほんとに、嫌なことのあとだったので、涙が出るくらい嬉しかったです。サンプルを捨てられたおかげで思わぬつながりができました。これは大事にしていこうと思います。とても嫌なことはありましたが、それに匹敵するくらいのいいことがあったので、気分的にはプラスマイナス0です。
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そんなこんなで今日のイフタールはアカラム宅で。
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美味しい料理をたらふくいただきました。