執筆:2008年9月26日
ラマダンが明けるのは29日か30日とのこと。直前に月を見て決めるそうです。そして今日、明日はラマダン最後の週末。各家庭ではアイード・アル・フトゥル(ラマダン明けの祭り)の準備で大忙しです。
アイードでは新しい服を着てあいさつ回りにいったり、お菓子を配ったりするそうで、今日は近所の家でお菓子作りを教えてもらいました。
今日作ったのはアカラーセル・アイード。パンとビスケットの間のようなお菓子です。家にいったときはすでに生地はできており、型に入れて整形するところから手伝いました。生地を作るところから教えてもらいたかったのですが、時間がかかるようなのでレシピだけ教えてもらいました。
シリア、特に村は大家族ですし、近くに親戚も多いので作る量が半端じゃありません。型に入れて焼くだけで5時間くらいかかりました。
大きさは手のひらサイズで、1つ食べるだけでおなかいっぱいになります。少しぼそぼそしたクッキーという感じで、食べるとぼろぼろこぼれます。味は何といいましょうか、アラブ風味のクッキーです。うまく表現できませんが。
お菓子を作ったあとはそのままイフタール。毎度のこと、たくさんの料理がでてきました。いつもならこれで帰るのですが、この日は夜にモスクに連れていかれました。
ラマダン月の27日というのは神様からムハンマドにコーランが降りてきた日だそうで、ラマダン月の中でも特に大事な日だそうです。それを祝うためにラマダン月の26日の夜からサラートルファジョル(1日の最初のお祈り)までイフティラール(モスクでのコーランの勉強会みたいなもの)が行われるため、見せてやるよとのことです。
勉強会といってもそんな堅苦しいものではなく、イスラム教の歌のようなものを歌ったり、シェーフの話を聞いたり、お菓子やナツメヤシを食べたりと、和やかな雰囲気です。
夜も遅いのに子供がたくさんいます。この日は特別なんでしょうか。
しかしすぐに騒ぎ出すので大人に何度も怒られていました。何度怒られても静かにしないので、最終的には外に出されてました。
こちらはシェーフ。説教する人です。
私はこのモスクに入るのは今回が初めて。写真を撮っているとみんないっせいに振り向き、恥ずかしかったです。
ダマスカスのウマイヤド・モスクなどの大きいモスクでは、イフティラールはサラートルファジョルの時間(次の日の朝5時頃)まで行われ、アサル(お祈り前の食事)も振舞われるらしいのですが、村のモスクでは1時30分頃で終わりました。
早く終わったということで同僚に
「もう一件行こう」
といわれ、私はもう帰りたかったのですがもう一件モスクをはしごしました。10分という約束で。
しかし入るなり、説教中のシェーフに
「そこの日本人、こっちに来なさい。」
と呼ばれ、近くで話を聞く羽目になってしまいました。説教では日本を例にいろいろ話をしてくれたのですが、『日本では毎年35,000人も自殺しているが、イスラム教国ではほとんど自殺者がいない』とか、『日本やアメリカはお金がたくさんあるのに不幸で、イスラム教国はお金がなくても幸せだ。それはイスラム教徒はコーランを読んだり、お祈りするだけで幸せだからだ』など、イスラム教はすばらしい的な論調の話ばかりで少し腑に落ちませんでした。よくあることですけど。
そして最後にはちょっと勉強してみろということで、英訳つきのコーランを貸してくれました。そんなこんなで帰ったのは午前3時。長い1日でした。