灌漑技術専門員研修、懐かしの普及員との再会。新たな兆し。

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執筆:2009年7月21日
※青年海外協力隊で活動していた当時のブログから記事を移行しています。


今週から2週間、節水灌漑プロジェクトによるSMS(灌漑技術専門員)研修が行われます。この研修は節水灌漑技術の普及員を育成する研修で、フェーズ1でも行われていました。前回と大きく違うのは誰が講師を務めるか。フェーズ1では日本人専門家が講師を務めてシリア人に講習を行ったのですが、今回は講師もシリア人。専門家のカウンターパートが努めます。日本人専門家はオブザーバーです。2週間の研修のうち2回はナシャビエ灌漑試験場で行われ、今日はその1回目。私は何をするわけでもないのですが、お手伝いと勉強を兼ねて参加させてもらいました。

本日の参加者は約20人。ルーラル・ダマスカス、ハマ、ダラアの普及員対象だそうです。

講師はウスターズ・ナーセル。専門家のカウンターパートです。本日の研修メニューは①Topographic Survey:GPSを用いた測量、②Water Source Test:水圧と流量の関係、③Soil Type Estimation:土壌の分類の3つ。まずは室内での講義。講義はもちろんアラビア語。でも英語の資料があったので私はそれを見ながら見学していました。専門家は何かいろいろチェックしています。

Soil Type Estimationではアイマンも講義。ウスターズ・ナーセルより年下なはずなのですが、アイマンの方が貫録あります。

講義のあとは圃場へ移動。

この日も日差しが強く、帽子をかぶっていない人は皆資料を頭に講習を受けていました。まずはGPS測量実習。今日の講習はこれがメインでした。この講習ではGPSで圃場を測量 → 作図 → 面積測定という流れ。それをもとに明日の研修で配管設計等をするそうです。

 実習では4グループに分かれ、GPSで畑を測量していきます。

測量が終わった後もまだ圃場での実習が残っていたのですが、もう皆バラバラになってしまい、実習の形をなしていませんでした。

実習が終わった後は再び講義室へ。GPSでポイントしたデータをもとに畑の地図の作成です。今回の講習ではX、Y座標での計測で、それを紙にポイントしていくだけなのですが皆なかなか苦労していました。

お互い教えながらなのか、カンニングなのか…はわかりませんが、なんだかとても微笑ましかったです。

グループにより多少のずれはあったようですがまあ許容範囲内だそうです。 今回の講習は面白く、私のためにもなったのですが一番の収穫はズブディーンの普及員、ウサーマとの再会。

彼とは1年以上前、ナシャビエ、ズブディーン普及所が共催で行った節水灌漑のフィールドデイで出会いました。1度会ったきりなのですが、しっかり自分のことを覚えていてくれました。

1年前といえばまだ活動の方向性を模索していた頃。当時は普及所と試験場の接点を作ることばかり考えていました。ズブディーンは少し遠いので、一番近いナシャビエ普及所と接点を作ろうと思っていました。 はじめはよかったのですが普及員の移動があり、新しい普及員はあまり節水灌漑に興味がないようで結局挫折してしまいました。

しかし、今日ウサーマは私に会うなり「おい、何で来ないんだ!俺は講習会やったり、資料作ったり、1人でがんばってるんだ。今度見せてやるから来いよ!」と、なんとも嬉しい言葉をかけてくれました。講習も人一倍質問をし、休憩中もずっと講師と話をしておりその熱意が伝わってきます。

講習終了後にアイマンにウサーマのことを話したら

「ウサーマは質問してまともに答えてくれるのは俺しかいない、って言ってたんだぜ。」

とアイマンもまんざらではない様子。そして一緒に仕事をする機会を作りたいということを話したら

「じゃあ、来週のナシャビエでの講習会で俺が話してやるよ。」

といつになく積極的。 普及員との交流は大切だと言いつつもいざやろうとするとなかなか動いてくれなかったアイマンがこんなことを言うのは本当に珍しいです。

普段りんご関係の活動ばかりをして申し訳ないと思っていたのですが、ここにきてまた希望の光が見えました。残りの活動期間を考えると新しいことを始めるべきではないのかもしれませんがこれは大きなチャンスです。彼らだけなら一緒に何かやろうと動くことはないと思います。それを考えたら、せめてきっかけづくりだけでもやって、少しでも地域の農業向上に貢献したいなと思います。

日本人専門家と試験場ワーカー。ワーカーにも好かれる本当にいい人たちです。

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